主な医薬品とその作用【問081~090】
【問081】
60歳の男性から、下記の成分で示される医薬品を購入、服用しようとして相談を受けた。登録販売者が説明する上で、必要な事柄に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1日量の成分
ヨウ化イソプロパミド 5㎎
マレイン酸クロルフェニラミン 8㎎
ブロメライン 80000U
- 本剤は抗ヒスタミン薬と抗分泌薬を含有しており、基礎疾患や症状として排尿困難や緑内障があった場合、症状が悪化する恐れがあるので、基礎疾患や症状の有無について確認した。
- 本剤は抗分泌薬を含有しており、口の渇き、便秘の副作用が現れやすいことを説明した。
- 本剤は消炎酵素薬を含有しており、肝臓の代謝・排泄機能の低下によって副作用が発症しやすくなるので、肝臓病がないか確認した。
- 本剤は抗ヒスタミン薬を含有しており、眠気があらわれることがあるので、注意して乗物を運転するように説明した。
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は4番です
【問082】
痔は、肛門付近の血管が鬱血し肛門に負担がかかることによって生じる肛門の病気である。以下の成分のうち、痔の薬に使用されないものを一つ選びなさい。
- 局所麻酔成分
- 抗ヒスタミン成分
- 抗炎症成分
- コリン作動成分
- 殺菌消毒成分
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は4番です
【問083】
塩酸プソイドエフェドリンに関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
塩酸プソイドエフェドリンについては、他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強く、副作用として( ア )や( イ )が現れることがある。また、交感神経系に対する刺激作用によって心臓血管系や肝臓でのエネルギー代謝などへの影響も生じやすく、心臓病、高血圧、糖尿病または甲状腺機能障害の診断を受けた人、前立線肥大による排尿困難の症状がある人では、症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要がある。自律神経系を介した副作用として、( ウ )や頭痛、排尿困難が現れることがある。
No | a | b | c |
---|---|---|---|
1 | 不眠 | 肝機能障害 | めまい |
2 | 不眠 | 神経過敏 | めまい |
3 | めまい | 肝機能障害 | 不眠 |
4 | めまい | 血小板障害 | 不眠 |
5 | めまい | 神経過敏 | 肝機能障害 |
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は2番です
【問084】
鼻に用いる薬に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
- アレルギー性鼻炎は、ハウスダストや花粉などのアレルゲンに対する過敏反応によって引きおこされる鼻粘膜の炎症でスギ等の花粉がアレルゲンとなって生じるものは一般に「花粉症」とよばれる。
- スプレー式鼻炎点鼻薬は、墳霧後に鼻汁とともに逆流する場合があるので、使用前に鼻をよく噛んでおいた方がよい。使用後には鼻に接した部分を清潔なティッシュペーパー等で拭き、必ずキャップを閉めた状態で保管し清潔に保っておけば、家族で共有してもかまわない。
- アドレナリン作動成分は、交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させる事により、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的としている。アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、角に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が膨張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。
- ヒスタミンの遊離を抑える成分(抗アレルギー成分)は、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト(室内塵)等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効である。
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は2番です
【問085】
眼科用薬の成分に関する以下の関係のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
- 目の調節機能を改善する配合成分 ― コンドロイチン硫酸ナトリウム
- 目の炎症を抑える配合成分 ― イプシロン-アミノカプロン酸
- 目の乾きを改善する配合成分 ― メチル硫酸ネオスチグミン
- 目の痒みを抑える配合成分 ― マレイン酸クロルフェニラミン
- 1.(a,c)
- 2.(a,d)
- 3.(b,c)
- 4.(b,d)
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は4番です
【問086】
眼科用薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
- 点眼薬は、結膜嚢に適用するものであるため、通常、無菌的に製造されている。点眼の際に容器の先端がまぶたやまつげに触れると、雑菌が薬液に混入して汚染を生じる原因となるため、触れないように注意しながら1滴ずつ正確に点眼する。
- 点眼薬の容器に記載されている使用期限は、未開封の状態におけるものであり、容器が開封されてから長期間を経過した製品は、使用を避ける事が望ましい。
- コンタクトレンズをしたままでの点眼は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズに関わらず、添付文書に使用可能と記載されていない限り行わないことが望ましい。
- 点眼後は、数秒間、まぶたを閉じて、薬液を結膜嚢内に行き渡らる。その際、目頭を軽く押さえると、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされる。
No | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
1 | 正 | 正 | 正 | 誤 |
2 | 正 | 正 | 誤 | 正 |
3 | 正 | 誤 | 正 | 正 |
4 | 誤 | 正 | 正 | 正 |
5 | 正 | 正 | 正 | 正 |
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は5番です
【問087】
皮膚に用いる薬の成分の以下の記述のうち、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
- アクリノールは、黄色の色素で、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対して効果がない。刺激性が高く、創傷患部にしみやすい。衣類などに付着すると黄色く着色し、脱色しにくくなることがある
- オキシドールは、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。殺菌作用は、過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化、及び発生する酸素による泡立ちによる物理的な洗浄効果であるため、作用の持続性は長く、また、組織への浸透性も高い。
- ヨウ素系殺菌消毒成分は、ヨウ素による酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す。ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると低下するため、石鹸等と併用する場合には、石鹸分をよく洗い落としてから使用することが望ましい。
- マーキュロクロムは、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。有機水銀の一種であるが、皮膚浸透性が低く、通常の使用において水銀中毒を生じることはない。ただし、口の周りや口が触れる部位(乳頭等)への使用は避ける必要がある。
- 1.(a,b)
- 2.(a,d)
- 3.(b,c)
- 4.(c,d)
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は4番です
【問088】
皮膚による用いる薬に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
- 外皮用薬は、皮膚表面に生じた創傷や症状、又は皮膚の下にある毛根、血管、筋組織、関節などの症状を改善・緩和するため、外用局所に直接適用される医薬品である。
- 塗り薬は、薬剤を容器から直接指に取り、患部に塗布したあと、また指にとることを繰り返すと、容器内に雑菌が混入するおそれがある。いったん手の甲などに必要量を取ってから患部に塗布することが望ましい。
- 貼付け剤・パップ剤は、患部やその周囲に汗や汚れ等が付着した状態で貼付すると、有効成分の浸透性が低下するため十分な効果は得られない。
- 外皮用薬は、表皮の角質層が柔らかくなることで有効成分が浸透しやすくなることから、入浴前に用いるのが効果的とされる。
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は4番です
【問089】
皮膚に用いる薬の成分と主な作用に関する以下の関係のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
- サリチル酸 ― 痒みや発赤等の皮膚症状を抑える
- フェルビナク ― 打撲、捻挫等による痛みの鎮痛
- トウガラシ ― 温感刺激を与え、患部の血行促進
- デキサメタゾン ― 角質成分を溶解することによる角質軟化
- 1.(a,c)
- 2.(a,d)
- 3.(b,c)
- 4.(b,d)
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は3番です
【問090】
以下の皮膚に用いる薬のうち、抗真菌薬でないものを1つ選びなさい。
- 硝酸オキシコナゾール
- 塩酸ネチコナゾール
- ビホナゾール
- 塩酸ブテナフィン
- サリチル酸メチル
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は5番です