主な医薬品とその作用【問031~040】
【問031】
次の表は、ある鎮咳去痰薬に含まれる成分の一覧である。
成人1日量(60ml)
リン酸コデイン 50㎎
塩酸メチルエフェドリン 75㎎
塩化リゾチーム 60㎎(力価)
マレイン酸クロルフェニラミン 12㎎
セネガ流エキス 1500㎎
この鎮咳去痰薬を販売するにあたり、注意すべき事項の一つとして、第1欄のことがあげられる。第1欄の記述に該当する成分として正しいものは第2欄のどれか。
第1欄
まれに、ショック(アナフィラキシー)や皮膚粘膜眼症候群などの重篤な副作用が現れることがあるほか、鶏卵アレルギーのある人の使用は避ける必要がある。また、乳児において、初めて摂取したときにショック(アナフィラキシー)が現れたとの報告があるため、乳児に服用させたあとはしばらくの間、容態をよく観察することが重要である。
第2欄
- リン酸コデイン
- 塩酸メチルエフェドリン
- 塩化リゾチーム
- セネガ流エキス
- マレイン酸クロルフェニラミン
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は3番です
【問032】
鎮咳去痰薬に配合させれる成分に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、3か所の( b )内はすべて同じ字句がはいる。
口腔咽喉薬の効果を兼ねた( a )やドロップ剤では、塩化セチルピリジニウム等の( b )が配合されている場合がある。基本的に他の配合成分は腸で吸収され、循環血液中に入って薬効をもたらすものに対し、( b )は口腔内及び咽頭部において局所的に作用するため、( b )が配合された口腔咽喉薬を噛み砕いて飲み込んでしまうと効果は期待できない。
No | a | b |
---|---|---|
1 | トローチ剤 | 殺菌消毒成分 |
2 | トローチ剤 | 抗炎症成分 |
3 | シロップ剤 | 殺菌消毒成分 |
4 | シロップ剤 | 正 |
チュアブル剤 | 炎症成分 |
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は1番です
【問033】
次の1~5で示される疾患などのうち、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の無機塩類を含有する胃腸薬の使用上の注意として、使用する前に、その適否について医師などに相談がなされることが望ましとされてるものはどれか。
- 精神神経障害
- 腎臓病
- 肝臓病
- 呼吸器疾患
- 甲状腺機能の異常
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は2番です
【問034】
胃腸に作用する薬に関する以下の記述の内正しいものはどれか。
- 健胃薬、消化薬及び整腸薬のなかには、医薬品部外品として製造販売されている製品もあるが、その場合は、配合できる成分やその上限量、効能・効果の範囲が限定されている。
- 制酸成分を主体とする胃腸薬は、酸度の高い食品と一緒に使用すると胃酸に対する中和作用が増強されることが考えられる。
- 制酸薬は胃内容物の刺激によって促進される胃液分泌から胃粘膜を保護することを目的としており、暴飲暴食による胸焼け、吐き気等の症状を予防するために食前に服用するものが多い。
- 弱った胃の働きを高めることを目的として、オウレン、センブリ等の生薬成分が配合されている場合があるが、これらの生薬成分が配合されている医薬品を服用する際には、特有の味や香りにより、服用しにくい場合があるため、オブラートで包んで味や香りの遮蔽をする等の工夫も必要である。
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は1番です
【問035】
ある店舗で勤務する登録販売者が、来店した女性から相談を受けた。この女性からの相談に対して、登録販売者が説明した内容として正しいものはどれか。
・女性は8カ月の男児の母親であった。
・女性及び男児ともに便秘に悩んでおり、便秘薬を購入するために来店した。
・女性は男児に対して授乳をしている。
- 便秘については、食生活などの生活習慣の改善が図られることが重要であり、体質改善のため、母子ともにダイオウを含む漢方製剤を継続的に使用するのがよいと説明した。
- ヒマシ油は、弱い瀉下作用しかない為、男児の使用は可能であるが、母親では効果が無いと説明した。
- 男児に対して、マルツエキスが使用できるが、水分不足による便秘の場合はマルツエキスの効果は期待できないでの注意するよう説明した。
- 母親がセンナを配合する医薬品を使用すると母乳が出にくくなるので、使わない方が良いと説明した。
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は3番です
【問036】
腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 急な胃腸の痛みは、主として胃腸の過剰な動き(痙攣)によって生じる者であるため、胃腸鎮痙薬として、消化管の運動を抑える成分(抗コリン成分)が用いられる。
- 次没食子酸ビスマス等のビスマスを含む収斂成分については、海外において長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があり、1週間以上継続して使用しないこととされている。
- 抗コリン作用を示す生薬成分としては、ロートエキス(ロートコンの抽出物)が用いられていることも多く、ロートエキスが配合された医薬品は生薬製剤であることから、妊婦や授乳婦に対して適するとされいる。
- ピコスルファーとナトリウムを配合する医薬品と生菌製剤の整腸薬を併用すると、整腸薬によってピコスルファートナトリウムの分解が抑制されるため、作用が強く現れることがある。
No | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
1 | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
2 | 誤 | 正 | 正 | 誤 |
3 | 誤 | 誤 | 正 | 正 |
4 | 誤 | 誤 | 誤 | 正 |
5 | 正 | 誤 | 誤 | 誤 |
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は1番です
【問037】
消化器官用薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 浣腸薬は、便秘の場合に排便を促すことを目的として、直腸内に適用される医薬品であるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性の使用に適している。
- 駆虫薬は、その有効成分が腸管内において薬効をもたらす局所作用を目的とする医薬品であり、複数の駆虫薬を併用すると駆虫効果が高まる。
- タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、卵に含まれる蛋白質(カゼイン)から精製された成分であるため、卵にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。
- 細菌性の下痢や食中毒のときに収斂成分を主体とする止瀉薬を使用すると、かえって状態を悪化させるおそれがあり、急性の激しい下痢又は腹痛・吐き気等を伴う人では、安易な使用を避ける事が望ましい。
No | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
1 | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
2 | 誤 | 正 | 正 | 誤 |
3 | 誤 | 誤 | 正 | 正 |
4 | 誤 | 誤 | 誤 | 正 |
5 | 正 | 誤 | 誤 | 誤 |
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は4番です
【問038】
解熱鎮痛薬、強心薬に関する以下の記述のうち、正しいもの組み合わせはどれか。
- ジャコウは、ヒキガエル科のシナヒキガエル又はヘリグロヒキガエルの毒腺の分泌物を集めたもので、微量で強い強心作用を示し、1日用量中ジャコウ5㎎を超えて含有する医薬品は劇薬に指定されている。
- ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を用いた生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下などの作用があるとされる。
- ロクジョウは、クサリヘビ科のマムシの皮及び内臓を取り除いたもの又は黒焼きにした生薬で、強心、血行促進、強壮などの作用を期待して用いられる。
- ジリュウは、ツリミミズ科のカッショクツリミミズ又はその近縁種を用いた動物性生薬で、古くから「熱さまし」として用いられており、ジリュウのエキスを製剤化した製品は、「感冒時の解熱」が効能・効果となっている。
- 1.(a,b)
- 2.(a,c)
- 3.(b,d)
- 4.(c,d)
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は3番です
【問039】
コレステロールに関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、2箇所ずつの( a )、( b )内には、どちらもそれぞれ同じ字句が入る。
( a )は、コレステロールを肝臓から末梢組織へと運び、( b )は、末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へと運ぶため、血液中の( a )が多く、( b )が少ないと、コレステロールの運搬が抹消組織側に偏ってその蓄積を招き、生活習慣病につながる危険性が高くなる。
No | a | b |
---|---|---|
1 | 中性脂肪 | 低密度リポ蛋白質(LDL) |
2 | 低密度リポ蛋白質(LDL) | 高密度リポ蛋白質(HDL) |
3 | 低密度リポ蛋白質(LDL) | 中性脂肪 |
4 | 高密度リポ蛋白質(HDL) | 低密度リポ蛋白質(LDL) |
5 | 高密度リポ蛋白質(HDL) | 中性脂肪 |
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は2番です
【問040】
貧血に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。
- 鉄分の摂取不足を生じると、初期にはヘモグロビン量が減少するが、貯蔵鉄や血清鉄の量は変化しない為、ただちに貧血の症状は現れない。
- 鉄製剤を服用すると、便が赤くなることがあるが、これは使用の中止を要する副作用等の異常ではないが、服用前から便が赤い場合は消化管内で止血している場合もあるため、服用前の便の状況との対比が必要である。
- 鉄分の吸収は空腹時のほうが高いとされているが、鉄製剤の主な副作用として胃腸障害が知られており、消化器系への副作用を軽減するためには、食後に服用することが望ましい。
- 月経過多の女性においては、貧血症状が起きやすいため、貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬を使用する必要がある。
※登録販売者 平成20年出題地域試験問題より引用
正解は3番です