主な医薬品とその作用【問051~060】
【問051】
消毒薬に関する次の記述について、記述と成分の正しい組み合わせを下欄から選びなさい。
- 結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌作用を示すが、ウイルスに対する殺菌消毒作用はない。手指・皮膚の消毒のほか、器具等の殺菌・消毒にも用いられるが、原液は、刺激性が強いため、直接皮膚に付着しないようにする必要がある。
- 微生物の蛋白質を変性させ、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対する殺菌消毒作用を示す。脱脂による肌荒れを起こしやすく、皮膚へ繰り返して使用する場合には適さない。手指・皮膚の消毒のほか、器具等の殺菌・消毒にも用いられる。
- 強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示すが、皮膚刺激性が強いため、人体の消毒には用いられない。金属腐食性があり、プラスチックやゴム製品を劣化させる。
- 刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。
No | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
1 | イソプロパノール | グルコン酸クロルヘキシジン | クレゾール石鹸液 | 塩酸ポリアルキルポリアミノエチルグリシン |
2 | クレゾール石鹸液 | エタノール | 次亜塩素酸ナトリウム | ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム |
3 | クレゾール石鹸液 | グルコン酸クロルヘキシジン | 次亜塩素酸ナトリウム | 塩酸ポリアルキルポリアミノエチルグリシン |
4 | イソプロパノール | エタノール | クレゾール石鹸液 | ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム |
※登録販売者 平成21年出題地域試験問題より引用
正解は2番です
【問052】
衛生害虫の防除に関する次の記述について、正しいものの組み合わせを下欄から選びなさい。
- ハエは、赤痢菌、チフス菌、コレラ菌等の病原菌や皮膚疾患、赤痢アメーバ、寄生虫卵、ポリオウイルスの伝播など様々な病原体を媒介する。ハエ防除の基本は、ウジの防除であり、通常、有機リン系殺虫成分が配合された殺虫剤が用いられる。
- 蚊は、日本紅斑熱や発疹チフス等の病原細菌であるリケッチアを媒介する。水のある場所に産卵し、幼虫となって繁殖する。人が蚊に刺される場所と蚊が繁殖する場所が異なるため、種類による生息、発生場所に合わせた防除が必要となる。
- イエダニの防除には、まず宿主動物であるネズミを駆除することが重要であるが、ネズミを駆除することで、宿主を失ったイエダニが吸血源を求めて散乱するため、併せてイエダニの防除も行われる
- 少しでも屋内塵性ダニを確認した場合、直ちに殺虫剤を散布し、散布後、畳、カーペット等を直射日光下に干すなど、生活環境の掃除を十分行うことが基本である。
- 1.(a,b)
- 2.(a,c)
- 3.(b,d)
- 4.(c,d)
※登録販売者 平成21年出題地域試験問題より引用
正解は2番です
【問053】
内用痔疾用薬に含まれる成分や漢方処方製剤に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせを下欄から選びなさい。
- カイカはマメ科のエンジュの花及び蕾、カイカクはその果実を用いた生薬で、いずれも血行促進、抗炎症作用を期待して用いられる。
- セイヨウトチノミはトチノキ科のセイヨウトチノキ(別名マロニエ)の種子を用いた生薬で、止血効果を期待して用いられる。
- コハク酸トコフェロールは、肛門周囲の末梢血管の血行を促して、鬱血を改善する効果を期待して用いられる。
- 芎帰膠艾湯は、痔出血の症状に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
No | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
1 | 正 | 正 | 正 | 正 |
2 | 誤 | 正 | 誤 | 正 |
3 | 正 | 誤 | 誤 | 誤 |
4 | 誤 | 正 | 正 | 誤 |
5 | 誤 | 誤 | 正 | 正 |
※登録販売者 平成21年出題地域試験問題より引用
正解は5番です
【問054】
強心薬に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせを下欄から選びなさい。
- センソが配合された丸薬、錠剤等の内服固形製剤は、口中で噛み砕くと舌等が麻痺することがあるため、噛まずに服用することとされている。
- ゴオウは、ウシ科のウシの尿路中に生じた結石を用いた生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。
- リュウノウは、フタバガキ科のリュウノウジュの樹幹の空隙に析出する精油の結晶を用いた生薬で、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。
- 一般用医薬品にも副作用として動悸が現れることがあり、副作用による症状と認識されず強心薬を服用しようとすることもあり得るため、強心薬を使用しようとする人における状況の把握に努めることが重要である。
No | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
1 | 正 | 誤 | 正 | 正 |
2 | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
3 | 正 | 誤 | 誤 | 正 |
4 | 誤 | 正 | 誤 | 正 |
5 | 誤 | 正 | 正 | 誤 |
※登録販売者 平成21年出題地域試験問題より引用
正解は1番です
【問055】
外用痔疾用薬に含まれる成分に関する次の記述について、正しいものの組み合わせを下欄から選びなさい。
- 痛み・痒みを和らげることを目的として塩酸リドカイン、アミノ安息香酸エチル、塩酸ジブカイン等の局所麻酔成分が用いられるが、局所に使用されるため、ショック( アナフィラキシー) など重篤な副作用がでることはない。
- 痔による肛門部の炎症や痒みを和らげる成分として、酢酸ヒドロコルチゾンが配合されている場合は、長期連用を避ける必要がある。
- 血管収縮作用による止血効果を期待して配合されている塩酸ナファゾリンは、目の充血を除去する目的で眼科用薬にも使用される。
- 痔疾患に伴う局所の感染を防止することを目的として、塩化ベンザルコニウムが配合されている場合があるが、この成分は、陰性界面活性成分であり、傷口の殺菌消毒薬としても使用され、石けんと混合しても殺菌消毒効果は低下しない。
- 1.(a,b)
- 2.(a,d)
- 3.(b,c)
- 4.(c,d)
※登録販売者 平成21年出題地域試験問題より引用
正解は3番です
【問056】
婦人用薬に配合される女性ホルモン成分に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせを下欄から選びなさい。
- 妊娠中の女性ホルモン成分の摂取によって胎児の先天性異常の発生が報告されており、妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避ける必要がある。
- 女性ホルモン成分の摂取によって、吸収された成分の一部が乳汁中に移行することがあり、母乳を与える女性は使用を避けることが望ましい。
- 長期連用により、出血傾向となるおそれがある。
- 長期連用により、乳癌や脳卒中などの発生確率が高まる可能性もあるため、定期的な検診を受けることが望ましい。
No | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
1 | 正 | 正 | 正 | 誤 |
2 | 正 | 正 | 誤 | 正 |
3 | 正 | 誤 | 正 | 正 |
4 | 正 | 誤 | 誤 | 誤 |
5 | 誤 | 正 | 正 | 正 |
※登録販売者 平成21年出題地域試験問題より引用
正解は2番です
【問057】
婦人用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせを下欄から選びなさい。
- 内服で用いられる婦人用薬は、比較的作用が穏やかな生薬成分が配合されている場合が多く、その他の生薬成分を含有する医薬品(鎮静薬、胃腸薬、内用痔疾用薬等)が併用された場合でも副作用が起こることはない。
- 桃核承気湯では、1日最大服用量としてカンゾウ(原生薬換算)1g以上を含有する製品については、むくみのある人、心臓病、腎臓病又は高血圧の診断を受けた人は、使用前に、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談すること。
- 当帰芍薬散は、胃腸鎮痛鎮痙作用のあるシャクヤクが含まれるため、胃腸の弱い人に適しており、胃部不快感等の副作用が現れにくい。
- 五積散は、マオウを含有するため、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人では、使用前に、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談すること。
No | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
1 | 正 | 誤 | 正 | 正 |
2 | 誤 | 正 | 誤 | 正 |
3 | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
4 | 誤 | 正 | 正 | 誤 |
5 | 誤 | 誤 | 誤 | 正 |
※登録販売者 平成21年出題地域試験問題より引用
正解は2番です
【問058】
次の漢方処方製剤とその服用により起こることがある副作用の組み合わせで誤っているものを1つ選びなさい。
- 小柴胡湯 ―― 偽アルドステロン症
- 麦門冬湯 ―― 間質性肺炎
- 柴胡桂枝湯 ― 頻尿
- 乙字湯 ――― 便秘
- 麻黄湯 ――― 発汗過多
※登録販売者 平成21年出題地域試験問題より引用
正解は4番です
【問059】
禁煙補助剤(咀嚼剤)の使用に関する次の記述について、正しいものの組み合わせを下欄から選びなさい。
- 咀嚼剤は、噛むことにより口腔内でニコチンが放出され、口腔粘膜から吸収されて循環血液中に移行するため、ガムのように噛むことにより、唾液が多く分泌されると吸収が抑えられ、吐き気や腹痛等の副作用が現れにくくなる。
- 口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が低下するため、コーヒーや炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品を摂取した後しばらくは使用を避けること。
- ニコチンがインスリンの効果を増強するおそれがあるため、糖尿病でインスリン製剤を使用している人は、使用前に治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談すること。
- 非喫煙者では、一般にニコチンに対する耐性がないため、吐き気、めまい、腹痛などの症状が現れやすく、誤って使用されることのないよう留意すること。
- 1.(a,b)
- 2.(a,c)
- 3.(b,d)
- 4.(c,d)
※登録販売者 平成21年出題地域試験問題より引用
正解は3番です
【問060】
滋養強壮保健薬に関する次の記述について、正しいものの組み合わせを下欄から選びなさい。
- ビタミンA主薬製剤は、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、肝油等が主薬として配合された製剤で、夜盲症(とり目)の症状の緩和、病中病後の体力低下時のビタミンAの補給に用いられる。
- ビタミンD主薬製剤は、エルゴカルシフェロール又はコレカルシフェロールが主薬として配合された製剤で、骨歯の発育不良、くる病の予防に用いられる。
- ビタミンB2主薬製剤は、塩酸チアミン、硝酸ビスチアミン、塩酸フルスルチアミン等が主薬として配合された製剤で、神経痛、筋肉痛、関節痛、手足のしびれ、便秘、眼精疲労に用いられる。
- ビタミンB1主薬製剤は、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム等が主薬として配合された製剤で口角炎、口唇炎、口内炎、舌炎、湿疹、皮膚炎、かぶれ、ただれ、にきび、肌荒れに用いられる。
- 1.(a,b)
- 2.(a,d)
- 3.(b,c)
- 4.(c,d)
※登録販売者 平成21年出題地域試験問題より引用
正解は1番です