人体の働きと医薬品【問071~080】
登録販売者の試験問題について、徳島,香川,愛媛,高知は出題内容が共通です。
【問071】
薬の代謝、排泄に関する次の記述について、正しいものを1つ選びなさい。
- 排泄とは、代謝によって生じた物質が体外へ排出されることであり、その経路としては、尿中、
胆汁中、呼気中、汗中などがあるが、母乳中への排出はほとんどないため、乳児に対する副作用の発現はない。 - 多くの医薬品の有効成分は、血液中で血漿タンパク質と結合して複合体を形成しており、
複合体を形成している有効成分の分子は、薬物代謝酵素の作用によって速やかに代謝される。 - 肝初回通過効果とは、全身循環に移行する有効成分の量が、消化管で吸収された量よりも肝臓で
代謝を受けた分だけ少なくなることをいう。 - 腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が早いため、医薬品の効果が得られない場合がある。
※登録販売者 平成27年出題地域試験問題より引用
正解は3番です
【問072】
薬の体内での働きに関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせを下欄から選びなさい。
- 循環血液中に移行した有効成分は、血流によって全身へ運ばれて作用するが、多くの場合、標的
となる細胞に存在する受容体などのタンパク質と結合し、その機能を変化させることで薬効や副作用を現す。 - 閾値とは、医薬品摂取後における有効成分の最高血中濃度のことをいう。
- 治療域とは、有効成分の血中濃度が、無効域と呼ばれる最小有効濃度未満の濃度域と、中毒域と
呼ばれる毒性が現れる濃度域の間の範囲のことをいう。 - 十分な間隔を空けずに医薬品を追加摂取しても、ある血液濃度以上で薬効は頭打ちになる一方、
副作用や毒性は現れやすくなる。
No | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
1 | 誤 | 正 | 正 | 正 |
2 | 正 | 誤 | 誤 | 正 |
3 | 誤 | 正 | 誤 | 誤 |
4 | 誤 | 誤 | 正 | 誤 |
5 | 正 | 誤 | 正 | 正 |
※登録販売者 平成27年出題地域試験問題より引用
正解は5番です
【問073】
医薬品の剤型と適切な使用方法に関する次の記述について、正しいものの組み合わせを下欄から選びなさい。
- チュアブル錠は、舐めたり噛み砕いたりして服用する剤型である。
- カプセルの原材料として広く用いられるゼラチンは、アレルギー防止処理がされているため、アレルギーを持つ人も安心して使用することができる。
- 有効成分を全身に分布させることにより薬効をもたらすための剤型として、錠剤、散剤、経口液剤、外用液剤などがある。
- 外用局所に適用する剤型のうち、一般的に適用部位を水から遮断したい場合には、クリーム剤ではなく軟膏剤を用いることが多い。
- 1.(a,b)
- 2.(a,d)
- 3.(b,c)
- 4.(c,d)
※登録販売者 平成27年出題地域試験問題より引用
正解は2番です
【問074】
医薬品の使用により全身的に現れる副作用に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
- ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する即時型のアレルギーの一種であり、医薬品の
場合、以前にその医薬品によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人で起きる可能性が高い。 - 皮膚粘膜口症候群とは、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短時間のうちに
全身の皮膚、口等の粘膜に現れる病態のことをいい、その発生頻度は人口100万人あたり年間100人程度と報告されている。 - 偽アルドステロン症とは、副腎からのアルドステロン分泌が増加していないにもかかわらず
体内にナトリウムと水が貯留し、体からカリウムが失われることによって生じる病態のことをいう。 - 医薬品によっては、その使用が原因で血液中の白血球が減少し、細菌やウイルスの感染に対する
抵抗力が弱くなり、突然の高熱、悪寒、喉の痛み等の症状を呈することがある。
※登録販売者 平成27年出題地域試験問題より引用
正解は2番です
【問075】
精神神経系に現れる副作用に関する次の記述について、正しいものの組み合わせを下欄から選びなさい。
- 無菌性髄膜炎が発生する原因の大部分は、医薬品の副作用によると考えられている。
- 無菌性髄膜炎の発症は、多くの場合慢性であり、徐々に首筋のつっぱりを伴った頭痛や微熱などの症状が現れる。
- 心臓や血管に作用する医薬品により、浮動感や不安定感等が生じることがあり、その場合は原因と
考えられる医薬品の使用を中止し、症状によっては医師の診療を受けるなどの対応が必要である。 - 医薬品の使用によって、中枢神経系が影響を受け、物事に集中できない、不眠、不安、震え、興奮、
うつ等の精神神経症状を生じることがある。
- 1.(a,b)
- 2.(a,d)
- 3.(b,c)
- 4.(c,d)
※登録販売者 平成27年出題地域試験問題より引用
正解は4番です
【問076】
呼吸器系に現れる副作用に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
- 間質性肺炎の症状は、一過性に現れ自然と回復することもあるが、悪化すると肺線維症に移行するこ
とがあるため、かぜや気管支炎の症状との鑑別には細心の注意が必要である。 - 間質性肺炎を発症すると、体内は低酸素状態となるため、息切れ・息苦しさ等の呼吸困難、空咳、発熱等の症状を呈する。
- 医薬品による副作用が原因の喘息は、一般的に服用後1~2週間で起きることが多い。
- 喘息の発作は、内服薬だけでなく、坐薬や外用薬の使用によっても誘発される可能性がある。
※登録販売者 平成27年出題地域試験問題より引用
正解は3番です
【問077】
循環器系に現れる副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせを下欄から選びなさい。
- 鬱血性心不全とは、全身で必要とする量の血液を心臓から送り出すことができなくなり、肺に血液が
貯留して、種々の症状を示す疾患である。 - 息切れ、疲れやすい、足のむくみ、急な体重の増加、咳とピンク色の痰などを認めた場合は、鬱血性
心不全の可能性を疑い、早期に医師の診療を受ける必要がある。 - 不整脈とは、動脈の弾力性が失われて硬くなったり、内部に様々な物質が付着して血管の通り道が
狭くなり、流れが滞ることにより心臓の拍動リズムが乱れる病態のことをいう。 - 不整脈の種類によっては失神(意識消失)することがあり、そのような場合は自動体外式除細動
器(AED)の使用を考慮するとともに、直ちに救急救命処置が可能な医療機関を受診する必要がある。
No | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
1 | 正 | 誤 | 正 | 誤 |
2 | 誤 | 誤 | 正 | 誤 |
3 | 誤 | 正 | 正 | 正 |
4 | 正 | 正 | 誤 | 正 |
5 | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
※登録販売者 平成27年出題地域試験問題より引用
正解は4番です
【問078】
泌尿器系に現れる副作用に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
- 医薬品の使用が原因の腎障害においては、尿量の減少や、逆に一時的に尿量が増加する等の症状が現れることがある。
- 副交感神経系の機能抑制作用成分による尿閉(尿意があるのに尿が全く出ない)や、下腹部の膨満
による激しい痛みなどの副作用は、前立腺を持たない女性では起こらないとされる。 - 副交感神経系の機能を抑制する成分が配合された医薬品の使用により、尿が出にくい、残尿感
があるなどの症状が現れるのは、膀胱の排尿筋の収縮が抑制されるためである。 - 膀胱炎様症状では、尿の回数増加(頻尿)、排尿時の疼痛、残尿感等の症状が現れ、これらの症状が
現れた時は、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、症状によっては医師の診療を受けるなどの対応が必要である。
※登録販売者 平成27年出題地域試験問題より引用
正解は2番です
【問079】
感覚器系(目)に現れる医薬品の副作用に関する次の記述について、( )に入れるべき字句の
正しい組み合わせを下欄から選びなさい。なお、2つの( a )には同じ字句が入ります。
抗コリン作用がある成分が配合された医薬品によって眼圧が( a )し、眼痛や急激な視力低下を来たすこと
がある。特に( b )がある人では厳重な注意が必要である。眼圧の( a )により、頭痛や吐き気・嘔吐等の症状が
あらわれることがあり、長時間放置すると( c )な視覚障害を起こすことがある。
No | a | b | c |
---|---|---|---|
1 | 上昇 | 白内障 | 一時的な |
2 | 上昇 | 緑内障 | 一時的な |
3 | 下降 | 緑内障 | 不可逆的な |
4 | 下降 | 白内障 | 不可逆的な |
5 | 上昇 | 緑内障 | 不可逆的な |
※登録販売者 平成27年出題地域試験問題より引用
正解は5番です
【問080】
皮膚に現れる副作用に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
- 光線過敏症を発症した場合には、原因と考えられる医薬品の使用を中止して、皮膚に医薬品が
残らないよう十分に患部を洗浄し、遮光して速やかに医師の診療を受ける必要がある。 - 薬疹は、医薬品の使用直後に起こることが多い。
- 薬疹により生じる発疹の型は様々であり、その中でも蕁麻疹は強いかゆみを伴うが、それ以外の
場合は痒みがないか、たとえあったとしてもわずかなことが多い。 - 薬疹に加え、発熱を伴って眼や口腔粘膜にも異常が現れた場合は、急速に中毒性表皮壊死融解症等の
重篤な病態へ進行することがあるので、厳重な注意が必要である。
※登録販売者 平成27年出題地域試験問題より引用
正解は2番です